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2021/11/23
プログラミングをこれから勉強していく人間にとって、ビジュアル的に理論ブロックを組み合わせて作るスクラッチ言語(Scratch3.0)は最適な教材です。スクラッチ言語(Scratch3.0)を独学で勉強するのに、何かしらの書籍から始めるのも一つの手段です。巷にはスクラッチ言語の入門書籍が多数出版されています。各書籍ごとに解説に用いられるプログラミングテーマによっても、書かれている内容は若干異なってきます。コツコツと一人で勉強していく上で、自分の作りたいプログラムにより近い内容のほうが、当然やってる時の楽しさも違いますし、モチベーションも長続きするでしょう。ここでは、弊社タコキンのPスクールが出版されているいくつかオススメの書籍を取り上げ、その特徴を解析してみる内容の記事です。書籍選びには、事前にどのようなプログラムを作りたいのか良く検討し、お子様のレベルに見合った教科書を探すのにお役立ていただけたらと思います。
スクラッチプログラミングをしっかり学べる書籍ピックアップ
スクラッチ(Scratch)は現在世界中の小中学生向けのプログラミング教育の現場で利用される言語です。世界の子供たちが最初にプログラミングに触れる言語としてMIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボが中心となって進めれられてきたプロジェクトで、現時点で15年という長いスパンで現在の実績と地位を築いてきております。このためスクラッチには「どうやったら子供たちに楽しく持続してプログラミングを学ばさせることができるのだろうか」という他の言語にはないプログラミング教育のノウハウが蓄積され、今もなお一貫した開発が進められています。また、スクラッチには子供たちが成長して本格的な次のプログラミング言語にスムーズに移行できるような橋渡し役になれるようにさまざまな創意工夫が存在します。スクラッチの歴史はさておきまして、現行のスクラッチ3.0ではインターネットがあれば「どこでも誰でもいつでも」使うことができるのが強みになっています。一方で、スクラッチを中心に子供たちに分かりやすく教える専業のIT教育人材が日本にはまだまだ少ないのが現状です。ということで、ここはとりあえず何かスクラッチ言語の本を一つ買ってみて、お子様が読みながら自宅でもプログラミングを学習できないか様子を見てみよう、と検討している保護者の方もかなりいらっしゃるはずです。これらの本は、ほとんどがITプログラミング教育の専門家やエンジニアが執筆された内容になっており、小中学生の学習意欲を可能な限り持続されられるよう、読みやすく最大の努力をされています。ただし、学習書籍での勉強を持続できるかできないかは、あくまでも子供たちの好奇心頼みとなります。やはり子供たちの将来を価値ある投資と考えて、確実に学習効果を得たいのであればプログラミングスクールを検討したほうが良いでしょう。別の記事でスクラッチ言語を学べるプログラミング教室の比較をしていますので、興味があればそちらもご覧下さい。【Pschool厳選】Scratchを学べるオンライン・駅前プログラミングスクール5選
以降では、スクラッチを学べるプログラミング学習パッケージサービスを出来るだけ細かく解説していきます。使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ
『 使って遊べる!Scratchおもしろプログラミングレシピ 』は子供たちに興味を持ってもらえそうな面白いゲームの作成事例が掲載されています。小さいお子様が気に入りそうな、福笑いやトントン相撲といった昔ながらのゲームから、イマドキの写真加工風アプリまで、全15作品を収録しています。内容のレベルは小学生とされていますが、小学校低学年の子供が学習するのであれば、保護者などの一緒に読みたい入門書です。価格は2,000円程度です。できるキッズ 子どもと学ぶ Scratchプログラミング入門
『 できるキッズ 子どもと学ぶ Scratchプログラミング入門 』は保護者と一緒に学ぶスタイルで学習するための書籍です。親御様が付き添いながら教えられるなら良い本です。お子様のスクラッチプログラミングの最初の本などに向いています。対象としては、プログラミングを初めて学ぶ子どもと親のために、スクラッチの始めた方を含む初歩な内容から丁寧に解説しているようです。ですので、小学生低学年からでも取り組みやすい内容になっています。詳しい中身を目次で見てみますと、以下のような構成になっています。著者側から提供されているサンプルプログラムをダウンロードすることで、作りたいプログラム別に丁寧にプログラミング手順を解説している作りになります。スクラッチのプログラミング解説は平たい表現で分かりやすく説明されていますが、サンプルコードのダウンロードなど、インターネット接続等の細かい手順はやはり大人がやってあげないと厳しい面もあります。価格は2,000円程度と手頃な値段です。小学生からはじめるわくわくプログラミング
『 小学生からはじめるわくわくプログラミング 』はスクラッチプログラミングの定番教科書的な読み物です。シリーズ本は好評に付き続編も出版されています。スクラッチの旧バージョンであるScratch1.4
、Scratch2.0
の頃より、改訂を重ねて現在の『小学生からはじめるわくわくプログラミング2 Scratch 3.0版』が2019年8月頃にリニューアルしました。古いシリーズの「小学生からはじめるわくわくプログラミング」は現行のスクラッチとはかなり内容が古くなってしまいましたので、購入する際には注意が必要です。対象レベルは小学生の高学年向けになります。なので、お子様が、割とパソコン操作に慣れていて、キーボード・マウス・ブラウザーの使い方などおおよその基本がしっかり出来ていれば、この本を一人でコツコツと読み込んで学習してくれるかも知れません。値段帯は2,000円前後ですので、おおよそ平均的な価格です。内容のほうは、小学校向けのSTEAM教育にそのまま活用できるように、科目別にテーマを振り分けて紹介してあります。「スクラッチの教科書」とは言い得て妙で、課題をバランスよく含んでいる構成になっています。ただそのバランスの高さ故に、夢中になって楽しめるかというと、物足りないお子様もいるような気もします。Scratch3.0で楽しむ レッツ! プログラミング
『 Scratch3.0で楽しむ レッツ! プログラミング 』はジュニア・プログラミング検定向けを謳った書籍です。情報処理能力認定委員会が主催する「ジュニア・プログラミング検定」はGold(1級)、Silver(2級)、Bronze(3級)、Entry(4級)の4段階で子供のスクラッチ学習進度を認定する独自の認定試験サービスです。小学生向けの認定試験ですので、将来どうなるという訳でもありませんが、持っていると子供さんのモチベーションにも自信にも繋がり、面白い試みかとは思います。対象レベルも小学生の中高学年向けになります。書籍の価格はだいたい3,000円弱といったところです。肝心の内容の方ですが、プログラミングの解説もかなりグラフィカルで彩りも鮮やかで、読みやすく感じます。目次からも分かるように、かなりストイックに終始ゲームの作成過程を解説するという無駄のない構成です。なお、ゴールド級の実力相当で作れるとされるシューティングゲームは小学生が作るにはかなりの難易度かもしれません。よくわかる Scratch3.0ではじめるプログラミング
『 よくわかる Scratch3.0ではじめるプログラミング 』は漫画風のイラストを駆使して、子供にもビジュアル的に飽きさせないように、読み進める工夫をされている書籍です。書籍のターゲットは、スクラッチプログラミングをはじめて行う小中学生、とされています。実際は一人でやるにはそれなりに難しい内容ですので、小学生高学年〜中学校1年程度が対象といった印象です。本の中身としては、スクラッチの起動方法、スクラッチの基本的な使い方、ブロックの動かし方など、基礎的なパートが充実しているイメージです。基本的な項目を丁寧に説明する内容に注力しているため、応用的なテーマでは最後のパートでスプライトを動かして、ちょっとしたゲームを作ってみる程度で終わるようです。スクラッチプログラミングの入門1冊目として考えられているので、内容を十分理解したお子様には物足りなくなるかも知れません。書籍の値段はだいたい2,000円で、スタンダードな価格です。スクラッチプログラミング ゲームテクニック集
『 スクラッチプログラミング ゲームテクニック集 』はハンディに使えるゲームカタログとしても楽しめます。この本は現在Kindle電子書籍のみに対応しています。小難しい話は無しに、シンプルに、シューティングゲームを作り上げる手順を解説していくスタイルになっています。「習うより慣れろ」、「まずは隗より始めよ」、とそんな感じの入門書を終えてさてどうしようと言う状態の小中学生の2冊目の書籍を選ぶ際に適しているかも知れません。Kindle価格750円で、読み放題ならば0円で購入できます。ゲームを改造しながら学ぶ Scratchプログラミングドリル
『 ゲームを改造しながら学ぶ Scratchプログラミングドリル 』は現役のゲーム会社が執筆したかなり本格志向の書籍です。シューティング、アクション、格闘、釣り、レース、RPGなど計10本の本格的なゲームが作れます。プログラミングテーマとしてはこの上ない魅力的なものを盛り込んだ内容になっていますが、難易度もかなり上がります。また、書籍の特設サイトも用意してあり、ゲームメーカーならではの遊び心のある仕様になっています。この書籍で勉強していくには、インターネットの接続環境もそれなりに必要ですし、基礎レベルのスクラッチプログラミングは習得していることが必要です。実質の対象レベルは、小学生高学年から高校生前半といったところでしょうか。値段は他の書籍と比較してボリューム感もあるので、少し割増の3,000円程度になっています。ただし、Kindle電子書籍ならば価格はその半額となってお得です。Scratchではじめよう! プログラミング入門
『 Scratchではじめよう! プログラミング入門 』は基礎的なスクラッチの扱いを理解した中学校向けに書かれた書籍です。この本の主眼は、スクラッチからどう別の上位の言語に移ると良いかを考えられています。スクラッチを十分に使いこなしてから、別の本格的なプログラミング言語を始める前の準備をスムーズにしてくれる書籍です。このため、読者の対象は中学生以上となっています。実際には内容もハイレベルで、他の言語へ横滑りできるような専門用語やコンピュータサイエンスの話題も触れている作りになっていて、中学生後半〜高校生程度にならないと理解するのが少し厳しい...?と感じさせます。本書の内容としては、プログラミング言語に共通した概念を織り交ぜながら、シューティングゲームを作るまでの内容になっています。この本の内容をきちんと理解できるようになった時、他の言語の学習に移行しても、十分理解できる実力が身に付くことでしょう。価格も2,000円程度とスタンダードな価格帯です。Scratchで学ぶ プログラミングとアルゴリズムの基本
『 Scratchで学ぶ プログラミングとアルゴリズムの基本 』はスクラッチでアルゴリズムを学ぶことに焦点を置いた書籍です。ソートや探索などの基礎的なアルゴリズムを解説していく内容になっていますので、レベルは高めです。むしろプログラミング教育向けと言う枠を越えて、将来ITエンジニアやプログラマーを志す中高生に、スクラッチを通して学んでもらおうと言う内容かも知れません。アルゴリズムの他にも、オブジェクト指向や関数の話が出て来ますので、ちょっとしたコンピュータサイエンスを解説されているような雰囲気もあります。この本を理解し終えた時、スクラッチを自由自在に使いこなせるようになるだけでなく、他言語に共通して使える論理的な思考のスキルも身につけることを可能になるでしょう。内容の濃さに対して、本書の価格は2,500円程度になっていますので、実力のあるお子様に一冊買ってあげてもおいても損はないでしょう。親子でかんたん スクラッチプログラミングの図鑑
『 親子でかんたん スクラッチプログラミングの図鑑 』は「まなびのずかん」シリーズでお馴染みの書籍で、スクラッチプログラミングを特集した本です。本書は「まなびのずかん」シリーズのスクラッチ版で、スクラッチをベースに、プログラミングを図鑑形式でグラフィカルに解説していく本です。図鑑チックな読み口そのままに、眺めているだけでも楽しい内容です。章が進むごとにレベルが上がっていくような構成になっていて、小学生〜高校生、教養学部等の大学生・教員まで使えるようです。小学校向けのプログラミング教育の内容を意識して、数学、国語、社会、音楽など教科をテーマ別に章を設けて、先生や親がプログラミング教育を考えるための教材として使用することができます。こちらもクラスに一冊おいてあったり、共有スペースで読みたい子供たちに見せる本としての用途に最適な本です。価格は約3,000円ほどとなっています。現場ですぐに使える! Scratch逆引き大全 300の極意
『 現場ですぐに使える! Scratch逆引き大全 300の極意 』は、有名な『逆引きシリーズ』のスクラッチ3.0版です。どちらかといえば本書は、スクラッチを仕事で使いこなしたい現場の先生や教育関連のITエンジニアも使えるテクニック集といったところでしょうか。カバーしている内容は、Scratch3.0のインストール・設定から基本的な操作、便利な小技、応用テクニックなどの300パターンが用意されています。また、ハードウェア系のWebカメラやmicro:bitを使ったサンプルも掲載されています。もしプログラミング教室や学校等で1冊あれば、共有資料にしておくような使い方を検討されている場合には、非常に便利に利用できます。逆引き系の書籍は厚くなりがちですので、価格は3,000円程度になります。スクラッチプログラミング事例大全集
『 スクラッチプログラミング事例大全集 』はスクラッチプログラムを集めた図鑑のような書籍です。その名の通り、スクラッチのサンプルプログラムがたくさんつまった事例大全集です。簡単に作れるサンプルから、教科別に用意されたサンプル、ゲーム等、テーマ別にさまざまな事例が100例も収録されています。総ルビなので、小学生の子供たちにも読める仕様になっているので、小学校の自習時間や教材利用で便利な書籍を購入したい先生に向いています。なお内容も分厚いので、価格は3,300円程度になっています。
スクラッチ書籍選びのポイントは?
ということで、主にAmazonなどのオンラインで購入できる良質なスクラッチ関連書籍を紹介してきました。見ていただいたように、有名どころな出版社からゲーム会社のプログラマーの執筆著書であったりと、かなりバリエーションもあり目移りしてしまうことでしょう。結局のところ、買ってみてお子様が気に入るか・気に入らないか、という話には行き着くかも知れませんが、以降の4項目を参考に、上の書籍の内容とお子様の状況を考慮しながら購入されてはどうかと思います。値段
先程の書籍紹介でも触れてきたように、だいたいどの本も2,000円弱〜3,000円強がスクラッチ学習書の価格帯です。より安く購入しようと思うと、Kindle電子書籍形式で購入するほうが、1〜5割ほど価格が低いです。お子様の学習用に電子書籍で買い与えたい場合には、タブレット端末のディスプレイサイズが小さいと、内容が読みづらいし、ページ操作もしにくいので、あくまでお子様本人の学習の枷にならないようなハードウェアを選択すると良いでしょう。今日日、上記で紹介してきた書籍を含めてほとんどが電子書籍版が提供されています。Kindle電子書籍の専用端末のお子様向け商品・『 Kindle キッズモデル 』を使うと、一つの端末で学習書籍をまとめて管理でき、持ち運びも容易、場所もとらないというメリットがあります。注意は必要なのは、電子書籍専用端末は基本的に電子インクディスプレイですので、モノクロ表示にしか対応していません。カラー表示したかったら、アンドロイドタブなどの液晶ディスプレイ品を選ぶか、紙の本を購入することになります。またKindleキッズモデルの本体価格は11,000円ほどで、確かに格安アンドロイドタブレットなどを探せばもっと格安の商品が見つかるかも知れません。Kindle専用端末のメリットを上げるとすると、基本的にKindle書籍しか見れませんので、お子様がインターネットを通じて教育上問題のある広告や悪意のあるサイトを閲覧する危険性がありません。また基本的に電子インクディスプレイは省電力ですので、一度充電すると使い方次第で一週間電力を維持できます。なお月額980円で、全てのKindle書籍が読み放題になるKindle Unlimitedを申し込むと、年間5冊以上の本を読むお子様では、読めば読むほどお得になり、書籍にかかる費用を節約できるかも知れません。登録は以下のサイトから申し込むことができます。登録サイト|Kindle Unlimitedを始める難易度
至ってスクラッチは小中学生レベルの言語として設計されている言語であり、難易度で言うと初歩クラスのいわゆる繋ぎの言語です。プログラミングスクールに通う生徒さんが高校生となると、より高度なレベルの別の言語の取得を考える必要があります。最近は人工知能(AI)ブームもありPythonが人気ですが、C#やUnityなどのゲームプログラミングに特化した学習カリキュラムも増えて来ています。ある程度スクラッチを習得してしまった子供に、いつまでもスクラッチを習わせておくのは学習期間や費用を考えても勿体無いので、保護者としては、次なるステップへとスムーズの移れるように後押しや理解する姿勢が必要になります。難易度で言うと、Pythonよりも更に上位レベルになりますが、個人的にオススメなのはJavascript
やHTML&CSS
などに代表されるWebプログラミングの分野です。自分の手でホームページ制作を作成できるようにまでなると、もう立派なフロントエンドのエンジニアの第一歩になります。プログラミングテーマ
スクラッチで作成可能なアプリケーションは、本家のスクラッチハブで作品検索すると色々とサンプルが発見できます。お絵描きアートから、本格的なシューティングや有名なスクロールゲームなど、年齢を問わず世界中の様々な人たちが多様な作品を日々アップロードしています。スクラッチプログラミングを始めるにあたっては、とにかく子供の制作意欲を尽きさせないことが肝要です。つまりはプログラミングテーマ
選びが非常に重要な役割を持っていると言えます。スクラッチプログラミングの書籍選びを考える際には、学習カリキュラムに、お子様の興味にマッチしたプログラミングテーマが備わっているかも必ず確認しておきましょう。出版時期
重要なことなので、繰り返しになりますが、情報には鮮度があります。紙媒体の印刷物ともなると書かれている内容は当然更新されませんが、プログラミングの世界のトレンドの移り変わりはめざましく、1年経つと様々な機能が変化していくのが普通になっています。スクラッチの歴史を辿ると、最初に正式リリースされたScratch1.4が2009年頃で、そこから4年後の2013年に大幅アップグレード版となるScratch2.0に移行しています。さらにその5年後、Scratch3.0が2019年初めに正式リリースされて今に至ります。このような歴史から2018年以前のスクラッチ書籍といえば、ほとんどが旧バージョンのスクラッチ2.0で解説された内容になっています。現行のスクラッチ3.0とは、アプリケーションレベルで別モノですので、中古の書籍を購入する際には、2019年以降に出版・改訂されているかなどを事前に良く確認しましょう。